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Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

姉が死んだあと、次にはおのぶに身売りをしろとせがんだという。貧乏なことはひどい貧乏だが、娘を売る必要はない。みんなで少しずつでも働く気になれば、その日の食に困るようなことはないのだ。けれども両親からして働く気などはなく、楽をしてうまい物を喰べていたい、というふうだから、すぐに手早く纏まった金を握りたがるのであった。――おのぶは一分もゆずらずに拒みとおした。小さい弟や妹がまだ五人もいる、握った金はすぐに消えてしまうだろうし、五人の弟や妹の面倒を誰がみるか、あたしは五人のゆくすえを守るために、死んでも身売りなんかしないと云い張り、ついに親たちのほうで引込んだ。ところが妹のおしのが十七になるのを待ちかねていたように、こんどはおしのに眼をつけて同じことをくどき始めた。四、五日まえ、おしのが泣いて訴えに来たので、泊りがけで談判しにゆき、三日がかりで親たちを説き伏せたそうであった。

――もししのちゃんにおかしなことをしたら、あたしお父っさんかおっ母さんを殺すわよ、ってそう云ってやったわ。

自分たちの境涯では、他人より親のほうが恐ろしい場合が稀ではない。だから身を守るためには、よほど思いきった態度に出なければならないのだ、とおのぶは云った。