Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
三の五
「さっき小舟町から使いがあってな」和助はまだ爪楊枝を使い、高い音をさせて歯を吸いながら云った、「おめえは当分ここで手伝ってもらうことになったんだ、荷物もあとで届けて来るそうだから」
「ちょっと」と栄二は遮った、「ちょっと待って下さい、私にはわけがわからないんだが、このお店で手伝うってえのは、どういうことなんですか」
「おれから小舟町へ頼んでおいたんだ」
栄二は首を振った。彼の顔は白くなり、眼がきらきらと光った、「――嘘だ、それは本当じゃあない、あにいはなにか隠してる」
妻女が茶を持って来、栄二に挨拶をしてすすめた。栄二はぶっきらぼうにじぎをしたまま、眼は和助の表情をとらえてはなさなかった。妻女が去ると、和助は、自分用の大きな湯呑を取り、茶を啜りながら反問した。
「おれがなにを隠してるんだ」
「本町の綿文さんです」と栄二が云った、「小舟町からの手紙にはそのことが書いてあったんでしょう、そうでしょう」
和助は静かに茶を啜った。
三の五
和助は顔をそむけたままで云った、「それをおれに話させるな」
「あっしは二十三です、そしてこんどの綿文さんは初めての出仕事なんだ」