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Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

「もうちっとだ、おめえ倒れちまうぜ、栄ちゃん」

「さぶだな、どうしたんだ」

「堀江町へゆくんだ」とさぶが云った、「ほかにどうしようもねえからな、それとも浅草の店へいこうか」

「ばか云え、おらあ綿文へ談判にいくんだ」

「そんなに酔っていちゃあだめだ、酔いをさましてからにしよう」さぶは肩へかけている栄二の腕のぐあいを直した、「いいからもっとよっかかんなよ、おら大丈夫だから」

「おめえどうしておれのことがわかった」

「本町のお店へ仕事に来たら、栄ちゃんが酔いつぶれてたんだ」とさぶが答えた、「――それから女中部屋で寝かしとこうってことになったけれど、おめえがあんまり大きな声でどなるんで、外へ伴れだすよりしようがなかったんだよ」

「そうか、おれにゃあよくわからねえ」栄二は強く頭を振った、「夢とうつつがごちゃまぜになっちゃって、どこでなにをしたかも覚えちゃあいねえ、今日はなんにちだ」

「二十一日だ」とさぶが云った、「おめえ浅草の店を十五日に出たっきりだっていうじゃねえか」

「水が飲みてえ」

「その角を曲ればすみよしだ、もうちっとの辛抱だよ」

「だめだ、もうあるけねえ」

栄二の膝が崩れ、ずるずるとそこへ坐りこんだ。