Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
と栄二が云った、「たぶん小舟町に預けてあった金も届いてると思うが、もし届いていなかったら小舟町から受取って、そいつもここへ持って来てもらいたいんだ」
「そんなことならぞうさもねえが」と云ってさぶはおすえを見た、「――ここへ持って来るより、おちつく先をきめて」
「あたしのうちがいいわ」とおすえがいそいで云った、「栄さんにはたったいまからお金が大切なのよ、あたしのうちならむだなお金を使わずに済むし、仕事を始める足掛りにもなるわ」
栄二はきっぱりと首を振った、「――そいつはおれの身がきれいになってからだ」
おすえがなにか云おうとし、栄二は手をあげてそれを抑えた。
「ぬすっとの汚名を消すのが第一、もう一つは躯のけがれだ」と彼は云った、「――さぶも知ってるとおり、おれは二十三になるまで道楽はしなかった、酒こそ飲んだけれどいろまちへは近よったこともねえ、――それにはおめえがいたからなんだ、おすえちゃん、いつかおめえをかみさんに貰いたいと思い、それまではきれいな躯でいたいと思ったからだ」
おすえは低くうなだれ、左手に燗徳利を持ったまま、右手の指で両の眼がしらを抑えた。