Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みなかみきこう

みなかみ紀行

若山 牧水

Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

或る旅と絵葉書

上高地温泉

それが今夜私達を休ませ眠らせて呉れる上高地温泉旅館であったのだ。

やれやれと安心して振返ると、今通って来た黒い森の上に濛々として焼岳の山の煙が流れ落ちているのが見えた。今夜はよくその煙までへの路を聴きただす必要もあるのであった。

或る旅と絵葉書

この一篇は大正十年秋中旬、信州から飛騨に越え、更らに神通川に沿うて越中に出た時の追懐を、そのさきざきで求めて来た絵葉書を取出して眺めながら書きつづったもので、前に掲げた「白骨温泉」「通蔓草の実」「山路」の諸編に続くものである。

上高地温泉

上高地の温泉宿はこの時候はずれの客を不思議そうな顔をして迎えた。そして通された二階にはすっかり雨戸が引いてあった。一つの部屋の前だけがらがらとそれが繰りあけらるるとまだ相当に高い西日が明るく部屋にさし込んで来た。その日ざしの届く畳の上できゃはんを解いていると、あたりのほこりのにおいが感ぜられた。

やれやれと手足を伸ばしてうち浸った温泉は無色無臭、まったく清水の様に澄んでいた。そしてこの宿に入った時玄関口に積まれてあった何やらの木の実がこの湯槽の側までも一杯に乾しひろげてあった。