Japanische Klassiker mit Furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
野なかの滝
かき撓み白う光りて流れ落つる浪より飛びて跳ぬる鮎これ
おほきなる鯉落ちたりとおらび寄る時雨降るなかの簗の篝火
翌朝は三人に別れて雨の中を船津町へ向った。途中神原峠というへかかると雨いよいよ烈しく、洋傘などさしていてもいなくても、同じようなので、私は古川町で買って来た一位笠(土地の名物一位の木にて造る)を冠ったまま、ぐっしょりと濡れて急いだ。
野なかの滝
八月×日。
此頃は大抵毎朝斯うだが、今朝はことに空の紺が深い。
その空の右手寄りにずっと低く伸びて行っている富士の裾野の一部が見ゆる。おおらかに張り渡した傾斜のうえにはおたまじゃくしに似た薄雲がちらちらと散らばって、如何にも朝明の風を思わしめる。
門の前に立って暫くそれらを眺めていたが、急にその辺を歩いて見度い気持が起きて来た。埃をあびた草の原の大きな傾斜、そのなかにぼつぼつと咲いている撫子や桔梗などの花、そうしたものがまざまざと思い浮べられて来た。
顔を洗ったままの濡手拭を持って急いで門口から入って、汽車の時間表と時計とを見比べると其儘に私は家を飛び出した。それでも停車場に着いてみるとまだ六時五十分発のに十分ほど余裕があった。