Japanische Klassiker mit Furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
或る島の半日
うるほふと思へる衣の裾かけてほこりはあがる月夜の路に
園の花つぎつぎに秋に咲き移るこのごろの日の静けかりけり
うす青みさしあたりたる土用明けの日ざしは深し窓下の草に
愛鷹の根に湧く雲をあした見つゆふべ見つ夏の終りとおもふ
明けがたの山の根に湧く真白雲わびしきかなやとびとびに湧く
或る島の半日
旅さきの癖で朝飯の膳に一二本の酒をとり寄せ重苦しい宿酔を呼び出しながら飲んでいると、惶しく女中が飛んで来てほんとうにもう舟が出ますという。案内役の伊勢崎君もその顔を見て流石に腰を浮かした。そして窓に出て向うを見ていたが、
「ほんまに出よるわ、しようのないやっちゃなア」
と舌打ちしながら、手を振り声をあげてその舟を呼んだ。そして私共二人は飯も喰うことなしにあたふたと袴を著けてその舟まで駆け著けた。「郵便船やよって、出るとなったら一分も待ちよりゃしまへん」という宿屋の女中に「なアに、あの船頭知っとるよって、構うことあらへん」と伊勢崎君はたかをくくっていたのであったが、矢張り斯う周章えねばならなかった。
あたふた乗り込んだ舟は普通の漁船の小型なもので、中央に屋根が葺いてあり、その上に〒の字の旗が立ててあった。