Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みなかみきこう

みなかみ紀行

若山 牧水

Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

沖から寄せた大きなうねりはその岩礁という岩礁、岩壁という岩壁に青く寄せ白く砕け縦横自在に荒狂っているのである。わが汽船はその真近に吹き寄せられながら或は高く或は低く上りつ下りつして実にあわれな心細い歩みを続けて行く。その辺に来るともう私すらが無事に坐っている事は出来なくなった。物につかまりながら立つか、或はぺったりとこれも同じく何物かに身を寄せて俯伏せに寝ているか、いずれかでなくては身が保てない。私は飛沫を浴びながらS―君の帽子を耳までも深く被って全身に力をこめながら立っていた。そして時には甲板よりも高く蜒ってゆく長いうねりを息をひそめて見つめていたが、思わず知らず或時大きな声を上げてしまった。岩壁と岩礁との僅かの間、浪という浪が狂い廻ってうち煙っている真中に実に見ごとな、遥かな富士を発見したからである。何という崇厳、何という清麗、朝見たよりも益々うららかに輝き入って、全面白光、空の深みに鎮っているのである。富士は近くてはいけないが、いつの間にか此処あたりは恰度距離も見ごろな所となっていたのである。船よ、御身もこれで幾らかずつは歩いているのだナ、と思わず欄干を叩いて微笑せざるを得なかった。