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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなかみきこう

みなかみ紀行

若山 牧水

Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

二月十一日。

この小鳥もこの海岸には非常に多いらしい。

私が異常な昂奮に自ら疲れて仁科村字浜町という漁村に着いたのはもう灯の点く頃であった。普通に歩けばその日のうちに充分松崎まで行けたのであるが、また行くつもりでもあったが、この附近の余りに景色のよさに諸所道草を食っていて斯うなったのであった。其処の鈴卯旅館というに泊る。

二月十一日。

終夜怒濤を聞きながら睡りつ覚めつして朝早く起きて見るとよく晴れたなかに相変らず風が荒れて、日の丸の旗が惨めに美しく吹きはためかされている。紀元節なのだ。朝食をすますと風の中を犬の子の様にして散歩に出た。昨日通って来た海岸をもう一度見直し度かったからである。昨日の夕方、もううす赤くなりかけた夕日のなかを疲れ切って歩いて来ると片方は麦畑になっている、とある路傍に思いがけなく怒濤の打ち上る音を聞いた。終日濤声に包れていたのであるから普通なら別に驚かないのだが通りかかった其処は左がやや傾斜を帯びた青い麦畑で右手海寄りの方は一寸した窪地を置いて直ぐその向うに小高い雑木林の丘がある許り、その附近暫く浪や海の姿に遠のいている場所であった。其処へ突然足許からどばーんというのを聞いたのだ。