Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
温泉はすべてこの大野川の人たちが登って経営しているのだ。女中も何もみな大野川の者である。雪が来る様になると、夜具も家具も其儘にしておいて、七軒家の者が残らずこの大野川へ降りて来るのだ。客を泊めるのは大抵十月一杯で、あとは多く宿屋の者のみ残り、いよいよ雪が深くなってどんな泥棒も往来出来なくなるのを見ると、大きな家をがら空きにしたまますべて大野川に帰って来るのだそうだ。稀な大雪が来ると、大野川全体の百何十人が総出となって七軒の屋根の雪を落しに行く、そうしないと家がつぶれるのだそうだ。
信州は養蚕の国である。春蚕夏蚕秋蚕と飼いあげるとその骨休めにこの山の上の温泉に登って来る。多い時は四軒の宿屋、と云っても大きいのは二軒だけだが、この中へ八百人から千人の客を泊めるのだそうだ。大きいと云っても知れたもので、勿論一人若くは一組で一室を取るなどという事はなく所謂追い込みの制度で出来るだけの数を一つの部屋の中へ詰め込もうとするのである。たたみ一畳ひと一人の割が贅沢となる場合もあるそうだ。彼等の入浴期間は先ず一週間、永くて二週間である。それだけ入って行けば一年中無病息災で働き得るという信念で年々登って来るらしい。