Japanische Klassiker mit Furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
私もそれに頼んで大きな油紙を買った。そして尻から下を丸出しに、尻から上、首までをば僅かに両手の出る様にして、くるくると油紙と紐とで包んでしまった。これで帽子をまぶかに冠れば洋傘はさされずとも間に合う用意をして、宿を立ち出でた。そして程なく、雨風のまだ全くおさまらぬ路ばたに立ってK―君と別れた。彼はこれから沼田へ、更らに自分の村下新田まで帰ってゆくのである。
独りになってひた急ぐ途中に吹割の滝というのがあった。長さ四五町幅三町ほど、極めて平滑な川床の岩の上を、初め二三町が間、辛うじて足の甲を潤す深さで一帯に流れて来た水が或る場所に及んで次第に一個所の岩の窪みに浅い瀬を立てて集り落つる。窪みの深さ二三間、幅一二間、その底に落ち集った川全帯の水は、まるで生糸の大きな束を幾十百捩じ集めた様に、雪白な中に微かな青みを含んでくるめき流るる事七八十間、其処でまた急に底知れぬ淵となって青み湛えているのである。淵の上にはこの数日見馴れて来た嶮崖が散り残りの紅葉を纏うて聳えて居る。見る限り一面の浅瀬が岩を掩うて流れているのはすがすがしい眺めであった。それが集るともなく一ところに集り、やがて凄じい渦となって底深い岩の亀裂の間を轟き流れてゆく。