Japanische Klassiker mit Furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
十月廿八日。
其処へ彼の知合である三人の大男が入り込んで来て同じく炉端へ腰をおろしたのだ。
同じ酒ずきの私には、この老爺の心持がよく解った。幾日か山の中に寝泊りして出て来た三人が思いがけぬこの匂いの煮え立つのを嗅いで胸をときめかせているのもよく解った。そして此処にものの五升もあったらばなア、と同じく心を騒がせながら咄嗟の思いつきで私は老爺に云った。
「お爺さん、このお客さんたちにも一杯御馳走しよう、そして明日お前さんは僕と一緒に湯元まで降りようじゃアないか、其処で一晩泊って存分に飲んだり喰べたりしましょうよ」
と。
爺さんも笑い、三人の木挽たちも笑いころげた。
僅かの酒に、その場の気持からか、五人ともほとほとに酔ってしまった。小用にと庭へ出て見ると、風は落ちて、月が氷の様に沼の真上に照っていた。山の根にはしっとりと濃い雲が降りていた。
十月廿八日。
朝、出がけに私はM―老人の部屋に挨拶に行った。此処には四斗樽ほどの大きな円い金属製の暖炉が入れてあった。その側に破れ古びた洋服を着て老人は煙管をとっていた。私が今朝の寒さを云うと、机の上の日記帳を見やりながら、
「室内三度、室外零度でありましたからなア」