Japanische Klassiker mit Furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
からああして自分自身で煮炊をしてたべている事などを。
丸沼のへりを離れると路は昨日終日とおく眺めて来た黒木の密林の中に入った。樅、栂、などすべて針葉樹の巨大なものがはてしなく並び立って茂っているのである。ことに或る場所では見渡す限り唐檜のみの茂っているところがあった。この木をも私は初めて見るのであった。葉は樅に似、幹は杉の様に真直ぐに高く、やや白味を帯びて聳えて居るのである。そして売り渡された四十五万円の金に割り当てると、これら一抱二抱の樹齢もわからぬ大木老樹たちが平均一本、六銭から七銭の値に当っているのだそうだ。日の光を遮って鬱然と聳えて居る幹から幹を仰ぎながら、私は涙に似た愛惜のこころをこれらの樹木たちに覚えざるを得なかった。
長い坂を登りはてるとまた一つの大きな蒼い沼があった。菅沼と云った。それを過ぎてやや平らかな林の中を通っていると、端なく私は路ばたに茂る何やらの青い草むらを噴きあげてむくむくと湧き出ている水を見た。老番人に訊ねると、これが菅沼、丸沼、大尻沼の源となる水だという。それを聞くと私は思わず躍り上った。それらの沼の水源と云えば、とりも直さず片品川、大利根川の一つの水源でもあらねばならぬのだ。