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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなかみきこう

みなかみ紀行

若山 牧水

Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

みなK―君の顔を見た。彼は例のとおり静かな微笑を口と眼に見せて、

「行きましょうか、行ってよければ行きます、どうせこれから東京に帰っても何でもないんですから」

と云った、まったくこのうちで毎日の為事を背負っていないのは彼一人であったのだ。

「いいなア、羨しいなア」

とM―君が云った。

「エラいことになったぞ、然し、行き給い、行った方がいい、この親爺さん一人出してやるのは何だか少し可哀相になって来た」

と、N―が酔った眼を瞑じて、頭を振りながら云った。

小さな車室、畳を二枚長目に敷いた程の車室に我等二人が入って坐っていると、あとの四人もてんでに青い切符を持って入って来た。彼等の乗るべき信越線の上りにも下りにもまだ間があるのでその間に旧宿まで見送ろうと云うのだ。感謝しながらざわついていると、直ぐ軽井沢旧宿駅に来てしまった。此処で彼等は降りて行った。左様なら、左様なら、また途中で飲み始めなければいいがと気遣われながら、左様なら左様ならと帽子を振った。小諸の方に行くのは三人づれだからまだいいが、一人東京へ帰ってゆくM―君には全く気の毒であった。

我等の小さな汽車、唯だ二つの車室しか持たぬ小さな汽車はそれからごっとんごっとんと登りにかかった。