Japanische Klassiker mit Furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
うずだかい落葉朽葉の柔かく草鞋を埋むる道を二十町も歩いたであろうか、我等がきょうの目的として登って来た旧噴火口のあとだという青篠の池に着いたのであった。
その広い林を出はずれたあたりはやや下り坂になっていたが、其処を降りて相向ったこの池は先ずいかにも可憐なものに眺められた。周囲八丁というのが卵なりに湛えているのである。一寸から二三寸の深さが汀から二三間ずつ相続き、さきは小波が輝いてよく見えぬが湖心でも三四尺どまりの深さだろうという。水は清く澄んで、飲むことも出来ると聞き、私は先ず手頃の朽木を汀の浅みに置いてそれに飛び移り、草鞋を濡らすことなしに充分に咽喉をうるおした。
そして、汀に近く枯れ伏した草の中につき坐って、更らにこの可憐な池に向えば、池のめぐりはなるほど一面の青篠の原である。我等のいま降りて来た南側と幾分西がかった側の両面には近く大きな落葉樹林が迫って居るが、それでも林と池との間の多少の坂地には矢張りいっぱいに茂って居る。そして東と北との側には汀から極めてなだらかな傾斜が高まり行き、やがて両方ともまんまるい頂きをつくり、其処にはただ青篠の密生があるのみである。