Japanische Klassiker mit Furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
さあ飲むぞ飲むぞ。」
「これはありがたい。夜あかしじゃ。」
「夜あかしゃ困るよ。」
「あっはっはあはあ、そりゃ困る。」と庄亮が両手で頭を引っ擁える。やあぁとその上で手先きを揉み上げる。
「や、Sさん、何処さん行かしたかと思っとった。此処来とらしたたい。」とY君だ。はいるとどかりとソファの端に腰を据えた。愛嬌のある円顔の髭をちょっとひねって、仰向いて目を細めた。もう赤くなっている。
「どうも。」と眉を顰めるとまた、赤っ面を振って、
「さびしゅうしてならんけん。誰も彼もぐうぐう鼾ばかりかいとって、始末におえん。甲板さん出て見たっちゃ、真っ暗闇で、歩けもせん。星も出とらん。雨でん降りまっしゅごたる。」
「どもならんというておりますわいだろう。Sさん。」
「へ、浪の音がな。その浪。」
「もうよし、飲もう飲もう。吉植君、君は王様の寝台だ。」私も観念した。だが、何か私とてもまんざら寂しくないことはない。キリキリキリキリと帆綱の鐶も鳴っている。
「や、僕も少しやっつけよう。飲むよ。飲むよ。」
そこで、三本にまた追加が五本。肴は鯨の鼻骨に野菜の辛子漬。
キリキリキリと帆綱の鐶。
浪の音がな。