Japanische Klassiker mit Furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
その色も泡も。だが、私は金を払うことを忘れて、一気に斜面を駈け上っている私自身をその後で見出した。
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そこらは虎杖の花盛りであった。樺太虎杖の花は内地で見るようなほのぼのとした淡紅いろを含めていないが、その緑がかった薄黄は却て虔ましくてあわれであった。それが雨と霧とに濡れしずくになっているのである。
太い丸太の無雑作な二坪ばかりの周囲の柵があった。その柵は朽ちかけて、既に外皮のところどころはボロボロにくずれかけていた。その中に日本と露西亜との境界標石が厳然と立っているのだ。正方形の台座に据えられた鼠いろのその標石は高さは二尺にも満たないであろう。北面に鷲、南面に菊の御紋章が浮彫りにしてあった。私は露西亜領の虎杖の草叢にもはいって見た。
北を眺めると、その海岸線は南と同じようなさして高からぬ丘陵が続いて、立枯れのとど松の疎林が、しきりなく流るる雨雲の下にほうほうとうち煙って見えた。寂とした国境であった。
露西亜人村のピレオはつい、一つ二つ向うの丘の蔭にあるのだと聞いた。時々出猟する彼らの或る者の姿さえ見かけることがあるともいう話であった。