Japanische Klassiker mit Furigana
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かめんのきょうふおう
仮面の恐怖王/電人M
江戸川 乱歩
Lesen Sie 仮面の恐怖王/電人M (かめんのきょうふおう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 153.590 Zeichen · 308 Bildschirme
あいつは、人を殺したり、傷つけたりして、血を見ることが、大嫌いですから、この発明は、あいつにはもってこいだったわけですね。」
「そうです。わたしとあいつとの考えは、その点では同じでした。あいつが、これを盗むために、あれほど一生けんめいになったのも、無理はありません。」
「で、あなたは、この発明をどうするつもりですか。」
明智探偵が、心の底を見ぬこうとするような、するどい目で、遠藤博士を見つめました。
「滅ぼします。」
「えっ、滅ぼすとは?」
「仮死粒子の原理を滅ぼすのです。わたしの頭の中の墓場にうずめてしまうのです。いま、それを決心しました。ある国が、この仮死粒子を手にいれたら、世界は思うままになります。しかし、その国がかならずよい政治をするとはかぎりません。人間の心には悪があるからです。たとえ日本のためにでも、わたしはこの秘密を、打ち明けないことを、かたく決心しました。
わたしが死ぬまでは、わたしの頭の中の墓場へ、そして、わたしが死ねば、この秘密は永遠の秘密となるのです。」
遠藤博士は、そう言って、よく晴れた朝の青空をみあげました。そのおだやかな顔には、聖者のようなにこやかな笑いが、ただよっているのでした。