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Japanische Klassiker mit Furigana

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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

もう、涙もろくに出なかった。窓わきの壁に背を凭せて、私はややしばらく、ただぼんやりと投げ出した自分の足を瞶めていた。

と、ぼおっと気抜けした心のどこかに「死」という観念が、ふいと顔を出した。

「そうだ、いっそ死んでしまおう……その方がどんなに楽かしれない」

こう思った瞬間、私は全く救われたような気がした。いや、全く救われていた。

私の身体にも精神にも力が漲って来た。萎えた手足がぴんとなって、わけなく私は立ち上れた、空腹などは永久に忘れてしまったようでもあった。

十二時半の急行がまだ通らない。それだ。それにしよう。眼をつぶって一思いに跳び込めばいい。

が、それにしてもこのままでは余りにも身窄らしい。突嗟の間にも私はこう思いついた。そこで大急ぎで腰巻だけを取り替えて、部屋の隅の箱から、袂のついた単衣とモスリンの半幅帯とを引き出して、それを小さく折って風呂敷に包んだ。

急がなければ時間に間に合わない。風呂敷を脇の下に隠し持って、私は裏門から出た。そして夢中で走った。一切を捨てて、死の救いへと、すがすがしい晴やかな心で……。

駅に近い東側の踏切りまで来た。