Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
性の渦巻
性の渦巻
私は杣口の母の実家に帰って来た。けれど、父の家が私の家でなかったように、ここもまた私の真の家ではなかった。私は三界に家なき哀れな居候にすぎなかった。しかも、骨肉互いに鬩ぎ合っている空気は徒に私を息づまらせるばかりであった。
ただ一つ私の息ぬきの出来るところは叔父の元栄のお寺ばかりであった。で私は、来る日も来る日も、何か理由のわからぬ力に引きずられる心地で叔父の寺へばかりへばりついていた。夜と言わず昼と言わず、私はただ叔父の寺で暮した。
言うまでもなく千代さんもよく叔父の寺に遊びに来た。千代さんは心から叔父を愛していた。
ところがこの頃、千代さんには一つの縁談が持ち込まれていた。千代さんに直接ではなく、千代さんのお父さん――実は父ではなく五十も年の違った兄だったのだが、ここにはそれを説明する必要もなかろう――にまで持ち込まれていた。
ある日千代さんは、石和という町に片づいている姉のもとから突然電報でよび寄せられた。千代さんは大急ぎで他所ゆきの晴衣を着て出かけて行った。行って見るとしかし別にたいした用もありそうになかった。ただ、東京から客が来ているから、お茶を出してくれの、お菓子をもって行けのと言われた。