Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
大叔父の家
私はしかし、前もって手紙を出して頼んでおいたのではない。第一、生れて一度も手紙の遣り取りなんかしたこともない。けれど私は信じていた。行けばきっと私を受け入れてくれるだろうと。自分で独立して苦学し得るまでのほんの一時の間である、その間ぐらいは大叔父が私を置いてくれないはずはない。そして事実この大叔父の家では、だしぬけに頼って行った私を快く受け入れてくれた。
けれど無論私は、この大叔父一家のものから、私の目的に対して何らの賛成をも助力をもかち得たのではない。毎晩一合の晩酌をやると大叔父は、私を自分の側に座らせてくどくどと私に説ききかせるのだった。
「なあ、ふみや、よく考えてみるがいいぞ。お前は今、馬鹿に学問をしたがっているが、そうして苦労して勉強して、さて、いよいよ学校の先生になったところで、せいぜい五十円か六十円そこそこの月給しか取れやしないんだよ。そんなことでどうして暮して行けるんだ。そりゃなるほど、独りものの時はそれでいいかも知れん。が、いつまでも独りじゃいられんから、いずれは嫁に行かねばならん。嫁に行けば子供が出来る。子供が出来て見ろ、大きな腹を抱えて学校に通うなんて余り体裁のいいものじゃない。