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Japanische Klassiker mit Furigana

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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

私は自分勝手に手紙を書くことを許されなかった。たまに書いてもいちいちこの監獄でのように祖母たちの検閲を受けなければならなかったのだ。そして「私は何不自由なく幸福に暮しています。どうぞ御安心下さい」といったようなことを必ず書かされたのだ。だから、母は恐らく、朝鮮の祖母がかつて誓ったような幸福のうちに私が生活していたのだと思っていたのだろう。

私はそうしたことについて何も話さなかった。それはそんな愚痴をこぼすことはいやでもあり、話したって真実に解ってくれないだろうと思ったからでもあった。私はただ、学校は高等きりやってくれなかったこと、及び、貞ちゃんが岩下の後嗣ぎときめられて、私はもう岩下には用のない人間となったから帰されたということをだけ話した。

「どうも変だとは思ってたよ。初め一、二度は手紙に岩下ふみと書いてあったが、間もなく金子ふみに変ったので、こりゃ何かわけがあるんだなとは感づいていたよ」と母が言えば、

「でも、まさかこうして、突然一言の挨拶もなしに裸で送り返して来ようとは思わなかったよ」

と祖母も合槌を打って、岩下一家を恨んだ。

そうして二人は、この前私を連れに来た時の朝鮮の祖母の言ったことやしたことを想い出しては、思い当ることがあるといった風に、ことごとに岩下一家の仕打ちを呪った。