Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
しかもそれでいてなお、例の「佐伯家系図」の前に座らせて、その系図に礼拝させ、太政大臣藤原の何とか卿の百二十三代を辱かしめてはならぬと、氏族制度時代の旧臭い思想を吹き込んだり負いきれぬほどの重荷を負わせたりするのだった。
父は賢に教えるのだった。
「こうした立派な系図に生れたお蔭で、わしはこれまでどんなに貧乏しても、他人に馬鹿にされた覚えはない。早い話がこの浜松ででも、俺よりお金持の人はたくさんあるが、そんな人達もみんなわしを佐伯さん佐伯さんといって何かにつけ俺を上に置こうとする。これはみな、系図のおかげだ。系統はおろそかにしてはいけない」
こうして、何事をも素直に受け納れやすい少年は、いつとは知れず父の思想に感化され、父のような考え方に馴れさせられているのだった。
私は常々からそれを片腹いたく感じていた。が、父が賢に対する仕打ちに対しても常に批評的な眼で見、事実また、それに反対なことを言いもした。そしてそれもまた、父と私とを疎隔せしむる理由の一つとなったのである。
賢を大学にやって法律家にし、あわよくば司法大臣か総理大臣にでもしようという考えから、父は、賢をまず中学に入れようとした。