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Japanische Klassiker mit Furigana

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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

こういった意味の手紙を書いて、為替を同封して送った。封筒にはもちろん男のように「金子生」と書いた。

二、三日して伊藤が来た。私はいつものように、彼を電車停留所のところまで送って行った。

二人になると伊藤は言った。

「お金ありがとう。だが、あれにはちょっとびっくりしましたねえ。用事があれば僕の来た時話してくれるとして、これからは決して手紙なんか寄越さないで下さい。女から来た手紙だなんてことがわかったら、僕の信用がなくなりますからねえ……」

「ええ、でも待ちきれなかったんですもの。それに、だからと思って字も名前も男のように書いたつもりだけど……」

「いや、そのお志はありがたいんです。ただ、手紙なんか寄越さないで……」

「すみませんでした」と私は寂しい気持ちで答えた。そして別れた。

とはいえ、私は決して伊藤を恨んだのではなかった。それどころか、私の心のうちにはますます深く伊藤への信頼が喰い入っていた。で、伊藤が来るたびごとに私は、伊藤を送って出た。夜などは、「あの電灯の下まで」とか、「あの柱のところまで」とか、ついかなり遠いところまでも話しながら歩いて行くのであった。