Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
といって母にはおいそれとそれを買ってくれる余裕がない。で、私はその一冊のノートと一本の鉛筆とを買えるまで二、三日も学校を休まなければならなかった。
母は私を、もっと費用のかからぬ学校に転校させたかった。けれど住居地の関係上それは不可能だった。
ある日、父がふと私達を訪ねて来た。
父はその頃、何か商売でもしていたらしく、何か大きな風呂敷包みを背負っていた。が、その顔は子供の眼にも驚かれるほどやつれていた。
あれほど反感をもっていた父である。けれどやっぱり私は何となく嬉しかった。父が、持って来た荷物を部屋の隅に置いて、長火鉢の脇に座って中村と何か話している間にも、私は何となく父の方が遥かに偉いような気がしたばかりでなく、甘えたいような心にさえもなった。で、中村がちょっと席をはずした時、私は父の耳に口を押しつけて小さな声で、「ゴム毬を買って」と頼んだ。ああ私は、学校の遊び仲間の誰もが持っているそのゴム毬をどんなに欲しいと常々思っていたことか。
その夜、父は私を縁日につれて行ってくれた。家の前の路地を出外れると、「さあおんぶしてやろう」と父は往来にしゃがんで私をその背にのせた。