Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
すると部落じゅうの女どもが集まって来て、いずれも欲しそうに手に取っては見、手に取っては見して値段をきいては、
「まあ高い、おまささんは十日ほど前に町でこんなのを二十銭で買って来たわ」などと言う。
行商人はそうした取引にいちいち叮嚀に、何か理窟をつけては、決して高くないとか、品が違うなどと言いくるめてしまう。いやただにそう言いくるめるばかりでなく、ぜひ買いたいと思わせてしまう。随分気永な取引である。だがそれも別に不思議はない。どんなに永くかかってどこかの家に泊らなければならなくても、泊賃は町の商人宿の四分の一、五分の一ぐらいですむ。ことによると旅人として歓待されて宿賃などは取りもしない。そんなのだから永びくことは何でもない、ただ、そうしている間に少しでも多く売れればいいのだ。
娘達は父親に内緒で半襟や簪を買う。母親達はあるいは繭を、あるいは手繰の生糸を、あるいは乾柿を、あるいは藁つとに入れた泥だらけのわさびなどをそっと持ち出して来ては、その三分の一にも値いしないものと交換する。そうして部落は毎年これらの旅商人に自分の丹精こめた労力の結果を奪われて行くのである。