Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
私は今その時の心持ちを充分に説明することはできない。ただ強いて言えば、駄々っ子が泣きくたびれて泣き止んだ時のような状態だったと思う。
そうした幾日を過ごしているある日、思いがけもなく実家の叔父が――母の弟が私達二人を訪ねてくれた。
叔父がどうして私達の住所を知っていたのか、私はそれを知っている。それは私がここに来てから初めてのお正月に、実家への年賀状を母に代って書いたのを覚えているからである。その時母は言った。
「今さら迎えに来てくれとも言えないが、この年賀状を見たら連れに来てくれるだろう」
それから後も母は時々言った。
「うちへ帰れば悪口も言われようが、何といってもこんな貧乏しなくてもすむ、そればかりでない、お前の祖父さんも祖母さんもどんなに喜ぶか知れん」
母はだから、あの年賀状を出しさえすれば、父と別れた私達のことを心配している実家のものがきっと迎えに来てくれると信じていたのである。
「おお、姉さんいたか」と叔父は閾をまたぐなり言った。
「よく来てくれた」と母はもう涙をぼろぼろと流していた。
それから二人は、ほんとに嬉しそうに立てつづけに話しつづけた。