Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
が、春子は何も知らずに、ねんねこにくるまって眠っていた。心地よさそうに、すやすやと。
村はとうに出はずれていた。けれど私達はまだ別れ得ない。小山の裾を繞って道の曲がるところでやっと私達は別れることができた。
が、母の足はどうしても進まなかった。別れて四、五歩したかと思うと母はふらふらと後ろへ引きかえした。そして雪さんの背から子供をおろして、路傍の土手の芝生の上に腰をかけ、まだ眠っている子を揺り起して、しゃくり込むように泣きながら乳首を無理に子供の口に押し込んだ。そうして母は、乳を呑んでいる子の顔を撫でたり、頬ずりしたりしながら、側で泣きながら立っている雪さんに、
「頼みますよ、雪さん、頼みますよ」と、今までにもう幾度となく言った同じ言葉を繰り返した。
母はいつまでも子供を離そうとはしなかった。それを叔父が一町もさきから、大きな声で呼びたてた。母はやっとのことで立ち上った。そして春子を雪さんの背におぶわせた。せき来る涙を止めもあえずに。
母と私とは二足歩いては立ち止まり、三足歩いては立ち止まって、後を振りかえって見た。雪さんはいつまでも元の道の廻りかどにじっと立っていた。