Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
母の実家
二、三町歩いて道が再び曲がろうとする所で、私達はまた後ろを振り向いて見た。その時は雪さんの姿は濃い朝霧に包まれて朦朧としか見えなかった。ただ、夢を破られたらしい春子の泣き声だけが、捨てて行く母と姉とを怨むようにはっきりと、朝の山のしんとした静けさを破ってきこえていた。いつまでも、いつまでも……。
この時を限りに、私は一人妹の春子と訣れた。そしてそうだ。別れたきりだった。あれからもうかれこれ十年の余になる。春子はまだ生きているだろうか。それとももう死んでしまったろうか。
母の実家
小袖を発って二日目の昼すぎ、私達は母の実家から一里足らずのところにある窪平という小さい町に着いた。そこからはもう一息である。けれど母はそこで足が鈍った。昼の日中、村に帰るのは恥かしいというのである。そこで叔父だけが先に帰って、私達は久し振りに床屋に行って顔を剃ったり、祖母への手土産を買ったりなどした。母の実家に帰ったのは日もとっぷり暮れて暗くなった頃であった。
祖父母は無論喜んだに相違なかった。けれどもその喜びのうちには悲しみも秘んでいたに相違なかった。そしてそれは私達にも同様に。