Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

大阪で髱の長いのがはやると先ず姉の髱が長くなり、妹たちが之にならい、地方の娘たちの髱が皆長くなった。そして姉や妹たちのは大阪の娘よりまだ長いのだ。髪結いたちは姉からリイドされるのだ。勿論気に入るまでは何度でも結い直させ、思いきった厚化粧だった。

こうした美と意気地とに耽る素質はどうも両親にも見当らない。しかし子供には皆あるのはどうしたわけか今に解らない。私にもその素質がある。しかし私には一方自己反省が非常に強く、自分の弱点を超克しようとするので、それが反対のもので包まれることが多い。

ともかくこの姉はおもしろい性格だった。一方涙もろく、手紙でも涙がポタポタ滲んでいることがあった。

私はこの姉から影響されたことを悔いる気はない。人間としての私の肌と趣味とが卑しくないとしたら、この姉の感化が多いのだ。

六つの歳に私は尋常小学校へ店の者につれられてあがったが、髯のある先生が恐くて、どうしても行く気がしなかった。それで一年延ばすことになった。

この年だったと思う。私は初めて盗みをし、その良心の苦しみを知った。

政子姉の綺麗な千代紙が欲しくてたまらず、そっと盗んで自分の箱に入れて置いた。