Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

4

「君がつくったんだろう」

「知らないの。こんないい歌。ちゃんと万葉の東歌の中にあるのよ」

「ふん、そうかなあ」と私は頭を掻いて、

「じゃあこの歌はどうだ。鹿のごとやさしく君が踏む路の草のあいより春立つらんか」

「万葉でしょう」

「おどろいた。僕の歌だよ」

「あなたの歌? うまくなったわね」

「馬鹿。君のことを詠んだんじゃないか。君は鹿に似ているからさ」

私たちはもうこんな言葉使いをするようになっていた。二人は夢に充ち、歌に充ちて幸福であった。

4

尾道時代の私の思春の思い出を、私にとってこんなに美しく感じさせるのは、それが初々しくて、肉体的の慾情に汚されていないからであろう。肉体的の慾情はすでに利害の意識の一端である。そのため彼女が手に入れたくて何かの技法を考え出すようになっては、もう追憶はスヰートでなくなってしまうのだ。感情が豊富で幾らかませていること、しかも感覚的にナイーヴですれていないこと。それが私の年少の恋愛の手習いを私の一生涯中の愛惜すべきひとくさりとして、可憐に思い起させる条件なのであろう。

鈴子との歌学びにからむいきさつも所詮そうしたロマンチックな絵本の中の出来事に過ぎなかった。