Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme
彼女の眸はまさしく遠い水平線の向こうの国と、恋し男神との夢を追っているようであった。笛と太鼓と銅拍子が急調に乱れて来たと思うと、彼女も劇しく、狂うような舞いながら舞台を駈け廻った。誰れが、いつの頃から振り附けたのかは知らないが、日本民族にはジャズのような音楽と、南方の土人のような踊りが伝統しているのらしい。
私の鋭い年少の感受性は神楽というもののチャームを把握した。それはあの古事記の中に満ちている原色的な、疲れを知らぬ神秘な生命感と合調するものであった。
私は酔ったようになって神楽場を出た。草っぱは、ひいやりとして星が爛漫としていた。月見草が夜目にやわらかく沈んで見える野を横切って、私は海べの心覚えの大岩のところに歩いて行って、身を寄せた。振りかえると神楽場の灯と、囃子のとよもしとが手にとるようであった。波が砕けていた。
私は何か知ら悠遠な気につつまれていた。神秘というものほどたましいを覗くものはない気がした。
私は露のある草の上にゴロリと仰向になって、夜空を仰いだ。星もささやくような気がした。疲れた身体が快く大地の呼吸にふれた。
久しいこと私はそのまま臥ていた。