Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme
私はこの徳永先生によって貧しさの中で、真理を愛し、義務をつくすことの尊さを学んだ。先生には野心というもの、才気というものは無かった。質実そのものであった。それで私の才気と、アムビションと、贅沢とを憂えられた。
先生は学校の乏しい予算の中で、毀れた物理の器械をひとつ宛丹念に修繕して行かれた。私が或る冬の日に先生の下宿を訪ねると、炭のつぎ方からして質実であった。それが吝でなく、無駄をしないという感じなので気もちがよかった。折からの雪をとって来て土瓶の中に入れながら、
「なかなか熱量を要するのでね。融かすには八十カロリイの熱量をね」
などと言って笑っておられた。これが先生の精一杯のユーモアであった。先生は興奮されたり、怒号されたりするようなことはなかった。しかし校友会の講演部長で熱のある一種の雄弁であった。冷静な熱情があった。
植松先生の事を書き留めて置かないのは忘恩に似るであろう。先生は明らかに私にひいきして下さった。算術と作文との先生で、私はこの二つが得意だったからであろうが、何となく私が可愛いかったのであろう。私も先生の時間には愛するものの膝の側にいるような気がした。