Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme
7
そのラブ・レターのことで私をからかった中村憲吉君も今は亡い。
すべては移り流れる。かわらぬものは生の欲望の尽きるまで燃えてやまぬ焔の執拗さと、何ものかの心霊の招く方へのあくがれの旅の足どりである。生き行くものはあわれなるかな。
7
テニスや、柔道などのスポーツや、また白帆会などでの訓練の間に私の肉体は健やかに生長しつつあった。そして尾道時代には春の目ざめの憧憬がまだ幼なじみた身体にませた愛らしさで芽ばえていたのが、今はようやく逞ましい肉体の中から生理的な、若々しい動物のものとして発育しようとしつつあった。
官能の用意はすでに整い、青春は完成を求めて喘ぎつつあるのが感じられた。
紫色にたなびく憧憬はもはや感覚の毛皮をまとわねば飽き足りなくなりつつあった。たとえそれはその頃私の脛に生え初めた毛のようにやわらかな少年らしいものであったとは言え、もはや半ばは獣につくものであった。
白帆会の会員の二年生に得能という美しい少年がいた。
この少年は遠山のような眉と、やわらかな感覚的な肢体とを持っていた。
この少年は学業が優秀な方ではなかった。そして人間としての資性も高いものであるとは見えなかった。