Japanische Klassiker mit Furigana
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かわいいやま
可愛い山
石川 欣一
Lesen Sie 可愛い山 (かわいいやま) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.791 Zeichen · 196 Bildschirme
六
僕はその通りだと白状した。すると――コーヒーの方がどんなにいいか判らねえ。飲んでみな……っていって、茶托を僕の唇にさし出した。かなたの岸には依然髭が漂流している。だが君、僕あそこのコーヒー飲んだよ。飲まないわけに行かないじゃないか。いや、まったく、恐ろしいことだった。」
「で、話というのはそれだけかい?」
「ああ、これだけだよ」
「そうかい」と彼は立ち上りながらいった。「僕あ寝るよ、あした僕等は山へ行くんだからね。」
「そうだ、それが……」と私は勝ち誇っていった。「僕のタイトルになるんだ。」
「何がさ?」
「山へ。」
六
この本は著者とジェレミーとがツーグスピッツェの登山を終えて、ホッホ・アルム・ヒュッテという山小舎へ帰って来たところから始まり、前に書いたような経過で、再びこの山小舎へ下りて来たところで終っている。小舎には「小父さん」と呼ばれる太った老人や、学校の先生や、若い娘や、案内者のイシドルやがいて、二人の英国人を愛想よく迎え入れ、盛に麦酒をのんではドイツ式の歌を唄っていると、案内者が一人入って来て、何か話す。すると――
奇妙な沈黙が起った。不安な気分である。