Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かわいいやま

可愛い山

石川 欣一

Lesen Sie 可愛い山 (かわいいやま) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.791 Zeichen · 196 Bildschirme

Aozora Bunko

初夏の高原――信州大町から――

まったく梅雨前の山はいい。残雪は多く、きれいで、日は永く、鳥は盛んに鳴き、おまけに何やかや、食える植物がふんだんにある。秋の山もいいが、どうも悲しい気持がする。これに反して初夏の山はワーッと景気がいいのだ。青春の山という感じが満ちているのだ。

(「樫の芽」)

初夏の高原――信州大町から――

もう六月に入ったのに、まだ、れんげ草が咲いている。菜の花も盛りを過ぎてはいない。昨日裏山へ登ったら、素晴らしく大きなつつじが咲いていた。この辺では、鬼つつじと呼ぶんだそうである。

山の斜面、木を切ったあとを歩いていると、鶯、ほととぎす、カッコウ鳥。ほととぎすは、やっぱり「一声は月が鳴いたか」の方がいい。昼ひなか、こう方々で、キ、キャッコ・カッケッキョーキ、キャッコ・カッケッキョとやられると、うるさくなる。

高原のまひる、燃えるような落葉松の若葉の色に、ボンヤリしている時、どこからか聞えて来る、あの間ののびたカッコウ鳥の声は、私をねむたがらせる。「夏が来た。クックウよ、声高く鳴け!」という、古いイギリスの詩を思い出させる。私は山腹のくぬぎの林に坐って、カッコウ鳥の声を聞いた。