Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かわいいやま

可愛い山

石川 欣一

Lesen Sie 可愛い山 (かわいいやま) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.791 Zeichen · 196 Bildschirme

Aozora Bunko

「飛ぶように」ではなく、実際、石でも岩でも丸木橋でも、ヒョイヒョイと飛んで行くのである。

山としては遅い朝飯を食いながら、北沢が向う岸の人の話をする。「大将みてえな人が一人と」――あの和服を着ていた人か? と聞くと、ウン、あの人だと答えた。――「越中の衆が一人いただ」という。あんまり口を利かない、おとなしい男だろう? と慎太郎さんが聞く。

「ああ、若え男だ。」「そんなら重吉だ。」「あれが重吉かね。」

北沢は四時半に起きて、飯の仕度をしてから小舎を出たのである。前夜引きかえした所まで行くと、前につき出した崖を廻った所に、新しい吊り橋が見えた。路が無いと思った面には果して路が無い。引きかえして、前晩ステップを切った雪渓の横を登り、谷を一つ越して、急な藪をすべり下り、存外容易に吊り橋に出ることが出来た。日電の小舎へ着いたら大将みたいな人が、腹がへったろうと言って、麦飯を喰わしてくれたが……「へえ、うまかったでえ……。えれえいい小舎だな。大きな熊の皮なんぞが敷いてあってな、新聞屋と宿屋のむすことを連れて来たと言ったら、そりゃあ面白い、早く来な、御馳走するぞってた!」