Japanische Klassiker mit Furigana
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かわいいやま
可愛い山
石川 欣一
Lesen Sie 可愛い山 (かわいいやま) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.791 Zeichen · 196 Bildschirme
偃松の臥榻
そして「もうそろそろ山へ行く時分だ。お客があったら知らしておくんなさいよ。俺どこへでも飛んで行くから」――これはこの辺の方言で聞かねば本当の味が出ない――と、くりかえし、くりかえし頼んだということ。こう書いていても、私には達者だったGの顔が見える。とにかく兵隊から帰ったばかりで、多少は文字も解し、且つは五万分の一の地図が「読める」ので、こいつは大いに有望と思って、東京へ帰るなり、隼町の小林へ買いに行って、この辺の山の地図を送ってやったりしたものだ。
今さら古めかしいが、人生いろんなことがある。山だけは昔のままだが……。
偃松の臥榻
一度、偃松のカウチに横たわったことのある人は、一生その快さを忘れぬであろう。
雪渓を登ること半日、初めの間こそは真夏の雪の珍らしさに、用もないのにステップを切って見たり、わざわざ四、五間も向うのクレヴァスをのぞきに行ったりするが、やがて傾斜が急になり、ある場所では実際必要があってステップを切ったりするようになると、もう面白味よりも労苦の方が多くなる。襟くびに太陽が痛い。雪眼鏡はくもって来る。僅か一貫五百目のルックサックが、大磐石でも背負っているかのように、肩にこたえる。