Japanische Klassiker mit Furigana
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かわいいやま
可愛い山
石川 欣一
Lesen Sie 可愛い山 (かわいいやま) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.791 Zeichen · 196 Bildschirme
「仁科」はうどんや。「白馬錦」とは地酒の名である。大町から山に登る人は大勢あっても、こんな妙なことを知っている人は、たんとはあるまいと、威張ったところでうどんやと地酒では仕方がない。
穂高、有明、安曇追分と行くうちに、突然空の一部分が口をあいて、安曇平野の一部に、かなり強い日光を投げつけた。直径約一里ぐらいであろうか。山の裾と、山に入って行く広い谷の一部分とを含む不規則な円形。そこは、他の場所の鼠色に比較して、毒々しいまでに鮮かな色彩を見せた。全体の調子は、もう全く枯れ切った雑草や灌木の、黒ずんだ褐色である。それに、何の木か、血のような紅葉、更に浮き上るような黄色い落葉松。我々が大阪附近でいうもみじは、如何に多くかたまっていても、こう一時に紅葉しないから、たとえ一本の樹であっても、紅、赤、黄、緑、茶というような色々の色彩が集って、何とも形容の出来ない、やわらかな美しさを見せる。それに反して、ここ信州も北の方の高原では、紅葉するものは何から何まで一度に紅葉してしまい、二度三度と霜が来るに従って、むやみに色を濃くする。殊にこの朝、灰鼠色の天地の中に、ポカリと浮いた木々の紅葉は、植物というよりも何か動物の臓腑を見ているようで気味が悪かった。