Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
「ご覧のごとくに八丁堀の者じゃ。静かなへやがあらば拝借いたしたいが、いかがでござろうな」
「は……?」
「ご不審はごもっとも、この巻き羽織でご覧のごとく八丁堀者じゃ。仏道修行を思いたち、かく推参つかまつったが、うわさによれば当山は求道熱心の者を喜んでお導きくださるとのお話じゃ。静かなへやがあらば暫時拝借いたしたいが、お許し願えましょうな」
「なるほど、よくわかりました。ご公務ご多忙のおかたが仏道修行とは、近ごろご奇特なことにござりまする。喜んでお手引きつかまつる段ではござりませぬゆえ、どうぞこちらへ」
案内していったへやというのが、すさまじいことに二百畳敷きぐらいの大広間でした。しかも、その広いとも広いへやのうちには、調度も器具もなに一つないのです。まことにこれでは静かも静かもこれ以上の静かなへやはない。その大広間の、渺々として遠くかすんでみえるような広いへやのまんなかへ、ちょこなんと名人主従を待たしておくと、やがてのことに持ち運んできたのは、数十冊のあやにかしこい経典でした。
「お求めの尊いみ教えは、みなこのお経のうちにござりますゆえ、お気ままにご覧なされませ」