Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

「申しあげます! あの、もし、お願いでござります。お願いの者でござります!」

「うるせえな。いううちに来りゃがった。忙しいんだよ。伝六様は、いま手がふさがっているんだ。用があるならあしたおいでよ」

「いいえ、あしたになってはまにあいませぬ。てまえは京橋薬研堀のろうそくや大五郎と申す者でござります。うちの女房が、けさほどお将軍さまのお成り先へ裸で飛び出したとか、駆けだしたとか申しまして、こちらへお引っ立てになったそうでござりまするが、あれは三年まえから気の触れている者でござります。座敷牢に入れておいたのを知らぬまに飛び出したのでござりますゆえ、お願いでござります。お下げ渡しくださりませ。お願いでござります」

「べらぼうめ。人の気違いの女房なんぞ、だれが酔狂にさらってくるけえ。おら知らねえや。係りが違うんだ。お係りが違うんだから、あっちへ行きなよ」

「ウフフ」

「え! なんです、だんな! いちいちとしゃくにさわるね。ウフフとは何がなんですかよ。お係りが違うから違うといったんですよ。骨おしみをしてはねつけたんじゃねえんだ。笑う暇があったら、だんなこそとっととらちをあけりゃいいんですよ。