Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
ました。
「貴、貴公なぞが用はないはずじゃ。のっぺりした身なりをいたして、何しに参った!」
「これはきついごあいさつじゃ。だいぶ逆上していらっしゃるとみえますな。ときに、この狂人にご用がおありでござろうな」
「いらぬおせっかいじゃわッ」
しかし、おせっかいであろうと、やっかいであろうと、二刻近くもかかっていまだに捕えることができないとならば、いかほど皮肉をいわれたとてもしかたのないことです。
「だいぶお困りのようだから、ご用ならばお手を貸しましょうかな」
軽くいいながら、あちらにまごまご、こちらにまごまごと、必死になって敬四郎たちが追いまわしているのを、ふところ手しながら見守っていましたが、そのときふと名人が荒れ狂っている狂人の手を見ると、右手の血まみれな出刃包丁はよいとして、左手になおしっかりと、かじりかけのなまもちを握りしめているのが、はしなくも映りました。しかも、さらに目を転ずると、今までなまもちにそれをつけながらかじりかじり張り番をしていたらしく、三人の子どもの死骸のまくらもとに、きな粉のさらがうやうやしく置いてあるのがふと目に映ったものでしたから、名人の顔が美しくほころびました。