Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
しかし、名人は依然にやにやとやったきり、あちらをのそのそ、こちらをのそのそと家のうちを歩いていましたが、そのときふと目についたのは、すばらしいりっぱな金も相当かかったらしい仏壇です。しかも、ひょいと中をのぞくと、新しい白木の位牌が二枚あるのだ。――一枚は新帰元泰山大道居士という戒名。他は同じく新帰元円明貞鏡大姉とあるのです。
「フフン。居士号大姉号をつけてあるところは相当金持ちだな」
「え……?」
「てつだってくれなくともいいよ。どうせ、おれはふろ屋の番台だからな。おめえはひとりでかんかんおこってりゃいいじゃねえかよ」
「ちぇッ」
裏を返してみるとよろしくない。新帰元とあるからには、いずれ最近に物故した新仏だろうとは思われましたが、このころもこのころ、仏はふたりともに、寛永十六年十二月十二日没、すなわち去年の師走の同じ日にそろってなくなっているのです。そのうえ、二つの位牌の前には数珠があるのだ。しかも水晶。仏壇ですから数珠があるのに不思議はないが、男の子どもが三人と気違いと、よそから飛び込んできた疑問の女と、人物は五人しか現われないのに、祥月命日が同月同日の新しい位牌が二つあって、その前にけっこうな水晶の数珠があるとは、余人ならいざ知らず、名人の目をもってしてははなはだ大問題です。