Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
「ほほう、いかさまゆうべも水騒動があったとみえて、だいぶ暇人がたかっているな」
ひょいと駕籠の中からからだを泳がしてのぞいてみると、河岸寄りのその栗木屋の前一帯は、ご苦労さまにも暑いさなかを、物見高い見物人が押しかけて、通行もできないほどの黒だかりです。それもまた無理からぬことにちがいない。一顰一笑、少し大きなくしゃみをしても、とかく人気を呼びたがる役者にからまったできごとなのです。しかも、その役者が毎晩毎晩気味の悪い幽霊水に襲われるというのです。あまつさえ、それが実証あってのことであるかどうかは二の次として、同じ役者どうしの意趣遺恨に根を張ったできごとと吹聴されているだけに、わけても江戸娘たちの好奇心をあおったものか、恥ずかしげに面をかくしながら、あちらにこちらにのぞき見している姿が見えました。したがって、またわが伝六のことごとく活気づいたのはいうまでもない。
「どきな、どきな、だんながおいでだよ。おらが自慢のむっつり右門のだんながお出ましなんだ。あけな、あけな、女の子は近寄ってもさしつかえねえが、ろくでもねえ野郎ども雁首を引っこめな」
肩をふりふり通っていったあとから、名人は秀麗かぎりない面に、ほのかな笑みをたたえながら、静かに通っていくと、案内も請わずずかずかとはいっていって、ずばりと宿の者にいいまし