Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
「手分けして春菜を捜しているさいちゅうに、多根がまたうち沈んだ様子で、同じようにふらふらと奥庭のほうへ出てまいりましたゆえ、若党にすぐさまあとを追わしましたところ、やはりもういなかったそうなのでおじゃります」
「お年はいくつぐらいでござりました」
「一つ下の十七でおじゃります」
「気だては……?」
「やさしゅうて、すなおで、かわゆらしゅうて、そのうえ主人思いの、なにひとつ非の打ちどころもない子でおじゃりますゆえ、春菜もいっそほんとうの妹にしたいと、口ぐせに申していたくらいでおじゃりました」
名人は聞き終わるとともに、じっと瞑目しながらうち考えたままでした。単純な事件と思われたのが俄然ここにいたって多岐多様、あとからあとからと予想外な新事実が降ってわいたからです。春菜の行くえ知れずになったのも不審なら、あいついで腰元お多根の姿が消えたのもすこぶる不審でした。
ふたりはしめし合わせて姿を消したのであるか? それとも、別々の理由からいなくなったか? あるいはだれか背後に糸を引く者でもあったか? もしくは、ふたりともさらわれていったか?
いずれにしても、もちろん、雛そのものにふたりのいなくなった原因があるに相違ないのです。