Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme
感謝の意を表さないのみならず、むしろ、洒蛙洒蛙として、よけいなことをしてくれたと言わぬばかりのすまし方であったから、お銀様も面白くなく、そんなら地獄へお帰りなさいと言ってやりたいほどのところを、黙っていると、いい気になって盲法師が、
「つい、今までは、私も、どうかして助かりたいと思いました、生きておりたいと思いましたけれど、井戸へ落ちてしまった時に、生きていたいとか、助かりたいとかいう心持が、すっかりなくなってしまいました、大へん良い心持になりました、ですから、私は、井戸へ落ちましてからは、助けてくれとも、生かしてくれとも、一言も申しませんでした。幸いに、身体には怪我は一つも致しませんで、しっかりとこの縄を握っておりましたから、水の底へも沈みはしませんでした、わたくしの身体は半分だけ水の中へブラリと下って、半分は水の上に浮き上っておりました、その時、わたくしはどっちでもいいと思いました。再び地の上へ浮き上れなければ、水の底へ沈んでしまっても、嬉しい心持で往生ができると思いました。そうしているうちに、わたくしの身体が少しずつ上へ上へと引き上げられるようでございます……その時も私は、どちらでもよいと思いました」