Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

草鞋を結び終って背後を見ると、雲の絶え間に一条の滝がかかっている。さのみ大きな滝とは見えないが、懸崖を直下に落ちて、見上ぐるばかりに真紅の色をした楓が生い重なって、その一ひら二ひらが、ちらちらと笠の上に降りかかって来ました。

「あれが蛇滝でございます」

と言う声で気がつくと、そこは小名路の宿でもなければ、小仏の峠道でもありません。中仙道の板橋の宿場外れの旅籠屋の、だだっぴろい陰気な座敷の一間で、眼のさめた時に二番鶏がしきりに鳴いていました。

「まだ寝ないのか」

竜之助が驚かされたのは、暗い行燈の下に夜もすがら、まんじりともしなかったらしい女は、思い余って忍び音に泣いているところでありました。

「どうしても眠れません」

何だか知らないが、その声が竜之助の心を嗾りました。

「生きている間は眠れまい」

と言ったのは、自分ながら謎のような言葉です。

「本当でございます、わたしは、どうして死んだらよいか、それを昨夜も一晩中考えておりました」

「そして考えついたかな」

「やっぱり人に弄り殺しにされてしまいとうございます」

「なるほど」

寝返りを打つと竜之助は、枕許の刀の下緒をずっと引き寄せました。