Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

行きつ戻りつ思案橋

昔の船宿の船頭には、潮来節を上手にうたうものがありました。辰巳に遊ぶ通客は、潮来節の上手な船頭を択んで贔屓にし、引付けの船宿を持たなければ通を誇ることができませんでした。

偶然とは言いながら、駒井甚三郎は、ここで軍艦製造の相談をしなければならないのは、駒井その人が無風流なる故ではありません。文化文政の岡場所が衰えても、この時代の柳橋は、それほど江戸っ児の風流を無茶にするものではありませんでした。川開きの晩に根岸鶯春亭あたりへ逃げて行くほどの風流は、持っていたはずであります。不幸にして、今宵は元の駒井能登守が、見慣れない絵図面を拡げて、スクーネルの、君沢型の、千代田型のと言っている時に聞えたのが生憎、常磐津でもなく、清元でもなく、況んや二上り新内といったようなものでもなく、霜に冴ゆる白刃の響きであったことが、風流の間違いでした。

「ははあ、殺られたな、相手は一人じゃないわい、どのみち、辻斬をして歩くほどの乱暴者だから、おたがいに倒れるまで未練な助けを呼ぶようなことがない、ましてやこの際、仲裁に出るものがあろうとも思われない、夜番や巡邏が通りかかっても、見て見ぬふりして通り過ぎるだろう。