Japanische Klassiker mit Furigana
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lesen Sie 季節のない街 (きせつのないまち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.379 Zeichen · 394 Bildschirme
問いかけたかみさんは業をにやし、せきこんでなにか云おうとしたが、二人のようすがあんまり恬淡としているため、ついに追い打ちをかけることができず、自分が辱しめられでもしたような、重量たっぷりの怒りを抱えてそこを去った。
勝子と良江とが、亭主たちのことにまったく無関心だったかどうかは、判然としない。或るとき、水道端で洗濯をしながら、良江がふと手を休めて、どこを見るでもなくぼんやりと向うを見まもりながら、溜息でもつくような口ぶりでゆっくりと云った。
「男なんて、みんな似たりよったりなもんだね」
すると勝子も洗濯の手をとめ、ぼんやりなにかを考えるような眼つきで、ふと微笑しながら頷いて答えた。
「ほんとにね、みんな似たりよったりなもんさ」
それがお互いの、現に同棲している男についての感慨だとは断言できない。一般論としての男性観であったかもしれないが、いずれにせよ、彼女たちの顔つきや口ぶりは、現実感のこもったものであった。
亭主たちのほうにも、似たようなことがあった。増田と河口とは以前よりも親しく、往きも帰りもいっしょだったし、仕事の現場もできる限りいっしょになるようにつとめた。