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Japanische Klassiker mit Furigana

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きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lesen Sie 季節のない街 (きせつのないまち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.379 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

あとがき

わが国ではもちろん、世界のどこでも、極貧者は自分たちの街を作るようだ。計画的にそうするのではなく、あたかも風の吹き溜まりに塵芥が集まるような、いつ、そうなったともわからないほど自然な成り立ちであり、経済的にも感情的にも、自分たちの「街」以外の人間とは、交渉を持とうとしないのが一般である。

ここの住人たちは「街」という概念では団結して他に当るけれども、個別的には孤独であり、煩瑣論的な自尊心を固持しているのが常のようだ。煩瑣論的というのは、作中に出てくるのだが――たとえば――ひと摘みの塩を借りにゆく、という行為をとってみても、本当にそれが必要である場合のほうが多いと同時に、少しも必要ではないが、親近感を強めるために、また相手に優越感を与えるために、あるいは吝嗇のために、そうすることがしばしばあるのである。

私がこれらの人たちに、もっとも人間らしい人間性を感ずるのは、その日のかてを得るため、いつもぎりぎりの生活に追われているから、虚飾で人の眼をくらましたり自分を偽ったりする暇も金もない、ありのままの自分をさらけだしている、というところにあると思う、――もちろん、豊かな生活をしている人たちと同様、かれらにも虚栄心があり、みえもあり、嫉妬や誹謗や貪欲などもある。